精神科で働いていた私が頑張り屋さんなあなたに伝えたいこと。

#work

私は、数ヶ月前まで東京のとある精神科の病院で働いていました。そこでは、様々な症状のある患者様と接する日々。

すぐに忘れてしまう方
幻覚や幻聴のある方
緊張からくる震えや痙攣のある方
怒りっぽく怒鳴る方
暴れて血だらけになる方

人によって異なる症状に翻弄され、頭を抱えて悩み続ける毎日でした。そんな患者様のカルテを見てみると、大企業で働いていた経験があったり、会社を経営していたりと、華々しい経歴ばかり。それなのに、実際に会ってみると震えていたり目を合わせてもらえなかったり・・・。素敵なキャリアを築いてきたとは思えないほど、まるで覇気がない。話せば話すほど、弱気で内向的な人柄が伝わってきました。

どの患者様もとても辛そうでしたが、私が印象に残ったのは研修中に出会った35歳くらいの男性です。大きな会社で働いていたものの、度重なるストレスで統合失調症になってしまい、会社を辞めてしまったらしい。この男性は、初めて会う私に温かく優しく接してくださいました。ゆっくりと、少しずつ話す方でした。ですが、机の下で少しだけ見えたのは小さく震える汗ばんだ手。きっと、とても緊張していたのだと思います。それなのに、微笑みながら私とお話してくださいました。

まだまだ働き盛りなのに。
お嫁さんやお子さんはいるのかな。
もっとやりたいことがあったはずなのに。
苦しくて辛いだろうな。
頑張り過ぎてしまったんだろうな。

お話をしながら、そんな気持ちがぐるぐると頭の中を駆け巡ってくる。机の下で手を震わせながら笑顔でゆっくりと話す姿を見て、なんだかとっても辛いような、涙が出そうな、言葉ではうまく言い表すことができない気持ちになりました。

私は、毎日約90~130人の患者様と接していました。そんな日々を送る中で痛感したのが、「精神病にかかってしまう人をこれ以上増やしたくない」ということ。実際に働いてみてわかった精神病の恐ろしさ。働けないどころか日常生活もままならない。周囲の大切な人にまで危害を加えてしまう可能性もある。精神病にかかるくらいなら、全て投げ出して逃げたほうが、何百倍も、何千倍もいい。

私は、いつか精神科の病院がなくなる日が来たらいいのに、と思っています。患者様を助けたくないのでなくて、精神病にかかる人がおらず、精神科の病院が必要なくなる日が来てほしいのです。

精神科という少し特殊な病院で働いてからこそ言えること。それは、これ以上頑張らないでほしい、ということ。辞める勇気を持ってほしい、ということ。自分に限界が来る前に、まともな精神状態ではいられなくなってしまう前に、逃げてほしい。たくさん耐えて耐えて、その結果、もっと辛い日々が待っているかもしれないから。私は、そんな患者様を毎日見てきました。最近は「退職代行サービス」という、自分の代わりに退職の連絡をしてくれる人たちもいる。仕事が辛くて辛くておかしくなりそうな人は、退職代行サービスを使えば、もうその日から行く必要はありません。

病みながらも耐え続けることは美徳ではない。精神病にかかってからではもう遅い。ちなみに、私も退職代行サービスを使って辞めた人間です。

そう思った次の日、退職代行サービスの方に連絡を入れていただき、退職しました。たくさんお世話になった先輩方に挨拶をしたかったのですが、そんな余裕はないくらいに追い詰められていました。

最後に、精神科の病院で働いていた私が一番言いたいことは、無理をしないでほしい、ということ。とっても簡単で多用される言葉ですが、守れる人はかなり少ないです。精神病にかかる患者様のほとんどは、無理をしすぎてしまったことが原因。

自分の気持ちを一番理解してあげられるのは他の誰でもなくて、自分だから。”もう頑張らなくていいよ”って、楽にさせてあげてください。それだけで、モノクロではなくカラフルな毎日が続いていきますから。約束ですよ。

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